不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「なぁ、モモ。バニラ一口くれ」


「えぇ!?じゃあ、お兄ちゃんのチョコクッキーも一口ちょうだいよ?」


「おう。ほら、口開けろ」


ヒロヤと妹のやりとりをうんざりした気持ちで眺めている俺。


だけど、目の前に座る花音は何故か微笑ましそうに二人を眺めている。


ハァ。一刻も早くコイツらと別れて花音と二人っきりになりたい。


何が楽しくて神崎兄妹がイチャついてるのを見てなきゃなんねぇんだよ。



「なぁ、花音。そろそろ帰ろ……――」


とっくにアイスを食べ終えていた花音に『そろそろ帰ろうぜ』と切り出そうとした時。


「花音ちゃんってストロベリー食べたんでしょ?俺のチョコクッキー食べてみる?マジうまいから」


何を思ったのか、ヒロヤは自分のアイスをスプーンですくって花音の口元に持っていく。

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