不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「……――バカ」
思わずポロリと口からこぼれ落ちた本音。
花音は眉をハの字にして潤んだ瞳を俺に向ける。
バカなのは、花音だけじゃない。
むしろ、何となくこうなることが予想できていたのに、花音を試す様な事をした俺のほうがよっぽどバカなのかもしれない。
もっと早くヒロヤを制止すれば、胸の中がこんなにモヤモヤすることだってなかったのに。
たかが、間接キスにこんなに動揺している自分が信じられない。
俺は花音のことになると、自分をコントロールすることができなくなる。
「……――花音、帰るぞ」
バンッとテーブルを両手で叩いて立ち上がると、花音はビクッと体を震わせた。
「え~!!マジ?もう帰っちゃうの?」