不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
初めての気持ち
「……――流星!!本当にごめんなさい!!」
部屋に入るなり、花音はペコリと頭を下げて謝る。
アイス屋を出て俺のうちにやってくるまでの間、互いの間には重苦しい空気が流れていた。
花音はずっと足元に視線を落として、明らかに落ち込んでいて。
『もういいから気にすんな』
そう言ってやりたいのに、どうしても意地を張ってしまう。
「何に対して謝ってんだよ」
「あの……さっき神崎君と……か、か、間接キスを……」
花音がどうして謝っているかなんて分かっているのに、俺は本当に最悪だ。
間接キスをしたっていうだけで、こんなに花音を追い詰めて。
「本当に……ごめんね。流星が怒るのも無理ないよね……」
目に浮かぶ涙をこぼさないようにグッと唇を噛み締めて堪えている花音。