不良彼氏と胸キュン恋愛【完】


「俺だってそうだから」


「本当に!?胸がキュンって高鳴っておかしくなる感覚……分かる?」


「それは……分からない」


よく花音は『胸がキュンキュンする!!』って騒いでるけど、男の俺にはその意味がよく分からない。


ただ、花音を想って胸が苦しくなったりすることはよくある。



「でもね、胸がキュンってするのと同じくらい、締め付けられることもあるんだよ」


「例えば?」


「ん~……、今日、アイス屋さんで女の子の注目の的になってる流星を見た時とか?」


「アイス屋?」


「そう。みんな流星のこと、目をハートにして見てたもん。あたしがトイレにいった隙に、流星が言い寄られちゃうかもって心配して、トイレにもいけなかったよ」


「あの店の中、ヒロヤがくる前は俺しか男いなかっただろ?だから、見てただけだって」


「ううん、違うよ!!」


花音は未だに俺の胸に顔を埋めたまま、話し続ける。



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