不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
ケントが去った後、屋上に一人で横になる。
ぼんやりと青く晴れ渡った空を眺めている時、ふいに屋上の扉が開いて、誰かが入ってきた。
「おっ、流星ー!!何してんの?」
「お前か……」
「俺じゃダメだった?」
「いや、別に」
アイス屋といい、今といい。
コイツは本当にタイミングが悪い。
最悪なタイミングで現れたヒロヤに苦笑いを浮かべていると、体操着姿のヒロヤは俺の隣に腰を下ろした。
「流星、ライター貸してくんない?」
「あぁ」
タバコをくわえているヒロヤに100均のライターを差し出すと、ヒロヤは白い煙を口から吐き出した。
「流星ってジッポー使ってなかったっけ?」
「あぁ。最近無くした」
「へぇ……。つーか体育、ここでサボってたの?」
「あぁ」
「体育楽しいじゃん。サボるなんてもったいねぇよ。でもこの学校ってプールがないんだろ?それが残念」
「お前は泳げないのが残念なんじゃなくて、女の水着姿見れないのが残念なんだろ」
「あっ、バレた?」
ヒロヤは真っ白い歯を見せてニッと笑う。