不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「花音ちゃんに愛されてる流星が羨ましいわ」
ずっと無言を貫いていた俺に、ヒロヤがそう声をかける。
俺が羨ましい……?
以前、ヒロヤは屋上でもそう言っていた。
「俺も花音ちゃんみたいな子と付き合いたいんだけど」
ヘラヘラと笑いながらそう言い放つヒロヤ。
俺は腹の奥底からわき上がる感情を必死に押しとどめていた。
ヒロヤに悪気がないと分かっている。
花音にちょっかいを出しているのも、ヒロヤにとって特に意味をもたないだろう。
子供をからかって遊ぶ感覚。
でも、自分の女の体に触られるのは耐えられない。
俺は一度息を吐くと、ヒロヤに視線を向けた。