不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
屋上の隅にある貯水タンクの横に置いておいた缶コーヒーの空き缶を灰皿代わりにタバコをふかす。
「俺……何やってんだ」
花音とヒロヤを疑ってこんなところで時間を潰す自分が情けない。
少し時間を置いて、花音が本当に委員会に出ているのか確かめようとするなんて。
いくら妙な胸騒ぎを感じたからといって、こんなことを考えるなんて女々しすぎる。
ここで一服を済ませたら、すぐに帰ろう。
花音が俺を裏切るはずがない。
勢いよく煙を肺の中に送り込んだ時。
≪ガチャッ……――≫
そんな音と同時に、屋上の扉が開いた。
「……誰だ?」
不思議になって扉に視線を向けた俺はハッとした。