不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「……――花音ちゃん、ごめんね!!無理言って頼んじゃって」
「ううん、いいの!!気にしないで?」
屋上の扉付近で言葉を交わす花音とヒロヤ。
二人のいる位置から、貯水タンクに隠れる俺の姿は見えていないようだ。
盗み聞きのようで気が引けるけれど、仕方ない。
俺は二人の会話に耳をすませた。
「あっ、そうだ。これ……!!」
「おう、ありがとう!!」
花音はカバンの中から取り出した何かをヒロヤに手渡す。
それを受け取ったヒロヤは、おもむろに花音の体をギュッと抱き締めた。
「……――キャッ!!ちょっ、神崎君!?」
「花音ちゃんしかこんなこと頼める相手いなくてさ~。マジ助かった~!!色々ありがと~」