不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
それはほんの一瞬の出来事で。
ヒロヤは花音の体をすぐに解放する。
でも、その光景を目の当たりにして、感情を抑え込むことなんてできなくて。
拳をグッと痛いくらいに握り締める。
今日……警告しただろ。
花音に触るなって。
それなのに、どうして花音とコソコソ屋上で会ったりするんだよ。
花音を気に入ってるなら、真っ正面からぶつかってくればいい。
最初に伝えただろ。
花音は俺の女だと。
ヒロヤを信用していたからこそ、ずっと我慢していたのに。
でも、もう我慢の限界だ。
「……――テメェ、何やってんだよ」
空き缶に吸殻を押し込むと、俺は二人の元に歩み寄った。