不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「りゅ、流星……――!!どうしてここに……?」
目を見開いて顔を青くする花音とは対照的に、俺の存在に気付いたヒロヤはパアッと目を輝かせる。
「お~!!流星!!ちょうどよかった!俺、流星に……――」
「うるせぇんだよ。お前、何がしたいんだよ」
「えっ?おい。流星……なんか怒ってんの?」
「当たり前だろ。お前、ナメてんの?」
ヒロヤの肩を押すと、受け身を取れていなかったヒロヤはアスファルトの地面に尻餅をついた。
あ然としながら俺を見上げるヒロヤ。
でも、すぐに立ち上がると笑顔になって俺に何かを差し出した。
「流星、これ」
「ハァ?」
「いいから。これ……俺からの……――」
「なんなんだよ。いらねぇよ」
ヒロヤの手を払いのけると、包みに入った何かが鈍い音を立ててアスファルトの上に落ちた。