不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「……――委員会っていうのは、嘘だったんだな?」
校門を抜けてしばらく歩いたところでそう尋ねると、花音は小さく頷いた。
「どうして嘘なんてついたんだよ」
「それにはね、理由があるの……」
「理由ってなんだよ。つーか、ヒロヤに何渡してたんだよ」
「流星、お願い。怒らないでちゃんと話を聞いて?」
「花音には怒ってねぇよ」
「神崎君はね……――」
花音がそう言いかけた時、前から歩いてきた小学生に目がとまった。
「……――あっ!!流星お兄ちゃんと花音お姉ちゃんだ!!」
「モモちゃん?」
どうして神崎兄妹はこうもタイミングが悪いんだ。
チッと心の中で舌打ちをしていると、ヒロヤの妹は無邪気な笑顔を浮かべて俺たちの元へ駆け寄ってきた。