不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「……――あたしね、神崎君に頼まれてたの。流星のプレゼントを買ってきてほしいって」
ヒロヤの妹が見えなくなると、花音が口を開いた。
「俺へのプレゼント?」
「そう。神崎君、毎日バイトで忙しくてなかなか買いにいけないからって」
「でも、どうして俺にプレゼントなんて……」
今日が誕生日のわけでもない。
それなのに、どうして……――。
「……その答えは、直接神崎君に聞いてあげて?」
「ヒロヤに……?」
「うん。神崎君、きっと今も屋上にいるよ……。ちゃんと話、聞いてあげてね」
花音はそう言うと、ニコリと笑った。
「流星も、このままでいいなんて思ってないでしょ?」
花音の一言が心に重たく圧し掛かる。
確かに、さっきは言いすぎたかもしれない。
アイツの話なんて何一つ聞かずに、感情に任せて怒鳴り付けた。
「一人で帰れるか?」
「……――うん!!」
俺は花音の頭をポンッと叩くと、花音に背中を向けて学校目指して歩き出した。