不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「……これ、高かっただろ?」
包みを開けると、中からシルバーのジッポーが出てきた。
よく好んで買うメーカーで最近発売されたばかりのジッポーライター。
「こないだ、ジッポーを無くしたって言ってただろ?」
「あぁ」
「流星の好みもよく分かんなかったし、花音ちゃんに事情を話して色々相談にのってもらってたんだよ」
ケントが言っていた。
ヒロヤと花音が裏庭で一緒にいるところを目撃したと。
もしかして、その理由は……――。
「お前と花音が二人で一緒にいたのって……」
「流星のプレゼントのことで相談してただけ。花音ちゃんなら流星のことよく知ってるし。間違っても花音ちゃんを口説いたりしてないから」
マジかよ……。
一方的にヒロヤが悪いと決めつけて怒りをぶつけてしまった俺は最悪最低だ。
「ヒロヤ……ごめんな」
「いいって。俺も花音ちゃんにベタベタしてごめん!!」
「あぁ、それは許さない」
「って、おいおい!!許してくれよ~!!」
「無理」
俺とヒロヤは顔を見合わせて笑い合った。