不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
確か、ケントと野口もそれでケンカしたと言っていた。
『好き』とか『愛してる』なんて言わなくても、全部伝わっていると思っていたのに、そうじゃないのか?
「俺、流星より恋愛上手だと思うし何かあったら相談に乗るよ?」
「お前に相談することなんてねぇよ」
「ふぅん。……そういえば、花音ちゃんは?」
「一人で帰った」
「おいおい、一人で帰しちゃって大丈夫なのかよ~?花音ちゃんみたいに可愛い子がいたら、俺なら絶対ナンパしちゃうわ」
ナンパ?花音を……?
そういえば、最近学校の近くに不審者が出たという話を聞いた。
それに気付いた時、顔から血の気が引いていく気がして。
「……――俺、先帰る」
慌てて立ちあがって屋上の扉に手をかけると、
「流星、頑張れよ~!!」
ヒロヤは満面の笑みでヒラヒラと俺に手を振った。