不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
世界一、愛してる。
≪プルルル~~♪≫
何度鳴らしても呼び出し音が鳴るだけで、すぐに留守番サービスに接続されてしまう。
「クソっ……。どこにいるんだよ……」
花音の家までのルートをたどりながらそうポツリと呟いてみる。
電話が繋がらないことには、家に着いたのかすら分からない。
あと少しで花音の家に着く。
一応、花音の家に行って花音が帰ったのかどうかだけでも確認しよう。
そう決めて、足を速めた時。
「……――ん~!!可愛い~!!」
どこからともなく聞こえた花音の声。
思わず辺りを見渡すと、曲がり角で腰を落として犬とたわむれる花音の姿があった。