不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
よかった。
何事もなく無事のようだ。
「……――おい、花音」
「あれっ?流星……、どうしてこんなところに?」
俺に気付いた花音は、犬の飼い主にペコっと頭を下げると俺の元に駆け寄ってきた。
「何で電話したのにでねぇんだよ」
「えっ?嘘!?ごめん!!わんちゃんと遊んでて全然気付かなかったよぉ」
「ったく。しょうがねぇな」
申し訳なさそうな表情を浮かべた花音。
俺はそんな花音の体をギュッと抱きしめた。
「あんま心配させんなよ」
「……ごめんね」
か細い声で謝る花音がたまらなく愛おしくて。
花音に会ったら、望み通り『好き』か『愛してる』と言ってやろうと思っていたのに。
そう思う間もなく、
「俺、お前が好きだ……」
自分の気持ちが自然と零れ落ちた。