不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
早川流星(はやかわりゅうせい)。
この学校で知らない人はいないってくらいの、有名人。
ううん、この辺りでは……の間違いかも。
とにかくそれくらい有名な人。
そして、あたしの好きな人。
ううん、違う。大大大大大好きな人。
愛してるって言ったらおかしいけど、多分あたしは早川君を愛してるって胸を張って言える。
それくらい、あたしは早川君が好きなんだ……――。
だって、早川君はあたしに……――。
って、早川君を好きになったキッカケを今思い出してる場合じゃない!!!
「黙ってないで、何とか言えよ」
あたしの目の前で眉間に皺を寄せている早川君。
ちょっと怒ってるその顔にも胸がキュンっと高鳴って。
あたしと早川君の距離は、30センチもない。
ちょっと手を伸ばせば、早川君に触れられるかも……?
って、そうじゃなくて!!
放心状態になりながらも、なんとか喉から言葉を絞り出す。