不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
「智也、痛いよ……離して?」
いつも穏やかな智也が見せた険しい表情。
どうして智也は流星が絡むとこうも感情的になるんだろう。
「嫌だ。行かないって言うまで離さないから」
「智也……。ちょっと話聞いてくるだけだよ?」
「無理。絶対に行かせない」
「すぐ帰ってくるから。ねっ?」
「ダメだ。行くなよ」
智也の手にぎゅっと力がこもって、掴まれている腕がキリキリと痛む。
「いた……ッ」
思わず痛みに顔を歪めると、
「お前、花音と付き合ってんの?」
あたし達のやりとりを黙って眺めていた流星が口を開いた。