不良彼氏と胸キュン恋愛【完】
―――……1年前。
高校に入学して2ヶ月が経ったある日、委員会を終えて校舎を出ると外はどしゃぶりの雨だった。
嵐って言葉がピッタリの大荒れの空。
地面を叩きつけるような雨はやむ気配もなくて。
今朝の天気予報では、傘を持って出掛ける必要はないなんて言ってたのに。
まだ新しい制服は家に着く頃にはびしょ濡れだろう。
ハァ……。運悪いなぁ。
小さな溜息をついて、雨の降る空を見上げる。
その時、突然、誰かに腕を引っ張られた。
「これ使え」
突然現れた強面の金髪の男の子。
あたしは思わず、目を見開いて体を硬直させた。