好き、は言わない。




なにも言えない。



ええっと・・・。何が起こったのかもわからない。



パニック状態になっていると、先輩が体を引き寄せて来た。




びっくりしながらもぎこちなく腕をまわすと、先輩の温度がじかに伝わって、顔中の温度も十度ぐらい上がっんじゃないかと思ってなんだか恥ずかしい。




でもこの温度が



妙に愛おしいのは、



多分、先輩に恋してるんじゃなくて



『愛してる』



からなんだと思う。








そして、


どちらからでもなく


私たちの唇は、自然に重なった。




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