好き、は言わない。
そういえば、いつから先輩のこと好きなんだっけ?
そうだ、1年のとき。
一緒に図書委員になった。
いつも活発でスポーツも得意のはずの先輩がなぜか、図書委員になってたのがすごい不思議だった記憶がある。
体育館でボールを追いかけてる先輩も素敵だったけど、
静かに本を読む先輩は凛としていてすごく・・・、綺麗だった。
そんな先輩が読んでいたのは夏目漱石の「こころ」
あ、あれあたしも読んだことある。
お母さんに無理やり読まされてだけど。
「それ、あたしも読んだことあります!
面白いですよね!」
そう話しかけると先輩はうれしそうな顔をして、
「そうなんだよ! 面白いよね!!」
と、あたしに花が咲くような笑顔をくれた。