「マッチを買いませんか?」
マッチがあっという間になくなっていく。
種も仕掛けもない、ただの詐称(さしょう)。
魔法がかかっているとしたならば、このクリスマスという今日にかかっているのだろう。
しかし。
シャルロットはまだまだ足りていない。満足していない。
祖母を、具合の悪い祖母がどんな思いでいるかを想像するといくらお金があっても足りないのでは、と思ってしまうのだ。
そうして金貨が四百枚も手に入ったシャルロットは急いで家に変えることにしたのだった。
祖母は寝ているだろう。
苦しそうな素振りを見せない強気なあの人のことだ、きっと一人で寂しがっているに違いない。
そうであってほしい、と願っていたのかもしれないが。