「マッチを買いませんか?」
「でもおばあさん! あたし…………」
「はいはい、分かったよ。じゃあ、これを売ってお金を稼いでおいで」
「マッチ……………………?」
「そう。ただのマッチさ…………そうだねえ、金貨を七十五枚くらいは稼げるマッチさ」
祖母は意地悪く笑った。
あの表情から読み取るに、祖母ならばできる範囲、それも余裕を持ってできる範囲のことなのだ。
シャルロットは一瞬、本当に少しだけ考えたのだが、未開封のマッチ箱を祖母から受け取ると笑顔で返した。
「ありがとう。やってみるわ。それと、おばあさん」
「なんだい」
「顔が牛乳よりも白くてよ。もう寝なさい?」
「はっはっはっはっは!」