浮気な彼
「ん........?.........此処、は....?」
目が覚めた場所は
何も無い
ただ暗闇が果てしなく続いている
そんな中、声が聴こえた
《雪乃》
「美優.........?」
その姿は美優で、私は駆け寄った
駆け寄ろうとすれば、離れていく
ナンデ.........?
《雪乃?》
亜樹もいつの間にか居て、此方を見ていた
私は走った
でも、どうしても美優にも亜樹にも届かない
「どこ行くの?美優!!亜樹!!」
二人は、
其処には存在しなかったかのように
なにもかも溶けてなくなったように
消えた、
真っ暗な闇
独り残された私
.............独り?
「独りぼっち?」
一人??...........独り?........
独りぼっち?
どくん、とまた胸が鳴る
「っ.......!?........はッ......」
胸が苦し........っ.....
「........はッ.........助けっ.......菊野くッ.......ん........」
息が出来ない
「けほッ.......はッ.......ぁ......く、るし.......!!....」
体が壊れそうな悲痛な叫びを上げている
「きくッッ.............の..........くん!!!!!」