浮気な彼



「は....?....」

今、俺の名前言った?

「.......っ、本当か?」



驚きのあまり聞き返した




「っ.......本当だよ、私の初恋だもん.........」

頬を真っ赤に染めて俯く雪乃


嬉しかった



俺が雪乃の初恋になれたなんて、

「だからね、どうしても想いを伝えたかったんだ」

「.........そっか」

 
「駄目もとだったけど承諾してもらえて嬉しかった」

こう言う雪乃はとても優しく笑っていた


「.......っ、」

雪乃の笑顔に思わず顔が綻ぶ

誇らしげで

凛とした笑顔

雪乃の笑顔はとっても心を温めてくれる


「.......一緒にお弁当食べて、一緒に帰る。たったそれだけだけど、.....!.......私は幸せだった.......初めての彼氏が菊野くんで本当に良かったっていつも思ってたんだ」

「幸せ、だった?」

雪乃はそれだけで幸せになれたのか?



「そうだよ。毎日が楽しくって仕方がなかった......お昼休みと放課後が生きてる中で一番幸せだった」

そう言う雪乃は、本当に幸せそうで、綺麗だと思った



雪乃を幸せに

俺ができてたのか?

あー、もう。

「..........ありがと雪乃」


大好きだ。


「.......なんで?.......私、まだいっぱい伝えなきゃいけない事あるんだよ.........?」

「うん。全部聞くから」










全部受け止めるから

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