浮気な彼
「え........?」
今なんて?
「冗談だよね?私自慢じゃないけど、彼氏出来たことな.........い゛っ....!!?」
「雪乃.......!!?」
「うぁあっ.....!!!」
頭が割れるように痛い
ズキズキする
何か、鈍器で殴られた様なそんな感じだ
「........助けてっ.........く........んッ!!」
あれ、誰を呼ぼうとしたの
名前が出ない
大好きな人
貴方は誰?
大好き
でもわからない
見えない
出てこない
「..........助けて.........よ.....」
涙目になり視界はぼやけて
誰かの手をぎゅって強く握った
誰かはわからなかった
でも
その手は私の気持ちを落ち着かせ
その手は大きい手ででも、指は細っこくて
その手は私をまるで包み込む様に温かかった
その手に包まれ私は眠りに付いた
温かい.............
「雪乃、落ち着いたみたい」
「なんで、蓮くんのことだけ覚えてないの?」
「雪乃っ.......ごめんな.......」
寂しげな声が聞こえた