浮気な彼
「........ひっ.....く、うっ...くぅっ........」
見つけた
俺の大事な人
やっぱりここに居たんだ
よかった
事故に遭ってなくて
よかった
俺は彼女に歩み寄った
「..........雪乃、やっと見つけた」
「..........ひっ..く、...........え?」
彼女は目を丸く見開き
こちらを見ている
「雪乃、一人で抱え込むなよ」
俺はしゃがみこんでる雪乃に目線を合わせ
雪乃の頬の涙を拭った
「っ.........!」
突然起こった事に驚いたのだろう
雪乃の記憶が無くなってから雪乃には触れてない
愛しさに目眩がする
抱き締めたくなる
大切に大事にしたい
俺を忘れた事が辛い
拒まれる事を恐れた
でも、今の俺は
雪乃に迷うことなく触れた
愛おしいと思う
この体温が、この小さな身体が
雪乃の
白く透き通った肌に綺麗に涙が落ちていた
そして彼女は口を開いた