Strawberry Candy
転校
あたしは、高校2年の2月という、
微妙な時期に、
急に転校すると告げられた。
「何でっっ!?!?」
「お母さんの友達に霊感強い人がいるんだけどね、この家、幽霊の通り道だっていうのよーっっ…!お母さん怖くて~…」
「嫌だよ!友達だって、彼氏だってこの街にいるんだよ!?」
どう反論しても、「引っ越すの!!」の一点張りで。
結局あたしはいっつも恵まれない。
何だよ、幽霊の通り道ってーっ!!
とりあえず、彼氏の愁に電話。
「もしもし??あたしだけど…」
『ん??美沙??急にどーした??』
「えー…っとね…」
何か、ちょっと言いにくいなー…。
「愁…あのね……あたし、引っ越すことになっちゃって……」
何て言うんだろ。
『……そっか』
………ん?? ……あれ??
意外とそっけない愁の返事に、何だか拍子抜け。
もっと、『寂しくなるな』とか、
『離れてても…』とか、
色々言ってくれるものだと思ってた。
ちょっと、悲しいな…。
『関係なくね??』
「……え??」