Strawberry Candy
『別にさ、美沙が引っ越そうが、俺らは俺らだろ』
「……うん!そーだね!」
『一緒に昼飯食ったり、一緒に帰ったりとかさ、当たり前だったことが出来なくなるけど、メールとか電話とかできるわけだし、俺らの仲が壊れることはねぇだろ」
愁と離れるなんて、考えられなかった。
ずっと一緒にいて、
一緒にいるのが当たり前で。
元暴走族のリーダーの愁は、人を思う気持ちだけは人一倍強くて。
友達や、仲間を思う気持ちも、
あたしのことを思ってくれる気持ちも。
本当に強い。
愛されてる、って分かるんだ。
だから、離れたくない。
付き合い始めの時は、まだ暴走族で、
友達みんなから止められた。
暴走族なんかやめとけ、って。
周りの人も暴走族の女だ!!って色々言われた。
そんなとき、愁に、
「暴走族抜けろ」って言った友達がいて。
その友達は、あたしを好きだ、
って言ってくれてた男子で。
その男子が、
「美紀が、どんだけ周りから色々言われてるか分かってんの?」
って愁に言っちゃって。
「俺の、せい……か??」
その一言を素直に聞いて、暴走族を抜けた。
あたしのためだけに、大事な仲間から引き離して、
あたし何やってるんだろうって自分をすごく責めたんだっけ。
…懐かしいなぁ…。