銀河の流星
長く、太く、速く重い。

攻撃として理想的な全てを備えた星食みの一撃を食らい、流星の体はソラリスの樹海の中へと叩きつけられる…寸前で急停止した。

「おのれ…やってくれる」

何とか地面への激突を踏み止まり、流星は空中へと浮遊する。

「俺に一撃を加える者など何百年ぶりか…妖(あやかし)同士の争いでさえ、俺に傷をつける奴など皆無だったというのに」

切れたのだろうか。

額から血が流れるのもそのままに、流星はふと眼下を見下ろす。

…不安げにこちらを見守る星乃の姿が目に止まった。

ポーラを守るように抱き締めているが、その実、恐怖を感じているのは星乃自身なのだろう。

誰かに寄り添っていなければ、一人で立ってすらいられないのだろう。

「愛しい女にあのような顔をさせてしまうとは…俺も不甲斐ない」

自嘲気味に呟いた後、流星の銀の四尾がザワリと鎌首をもたげた。

「星食み、星乃を不安にさせた責任は取ってもらうぞ」

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