銀河の流星
葬送の炎とは、天狐が蓄積していた神通力の全てを炎として解放する。

それは全ての神通力を使い果たすという事。

人間の姿に変化する力も、狐火を発生する力や浮遊する力も、源である四尾さえも失うという事。

天狐としての何もかもと引き替えに、圧倒的な力を以って敵を葬送する。

故に葬送の炎を使った後は、天狐は只の狐へと逆戻りする。

神通力など欠片も持たない、野山を駆けずり回っている只の狐に…。

「『すまんな星乃、もうお前を娶ってはやれない』…」

ポーラが、只の狐でしかない流星の言葉を代弁する。

もう神の使いでさえないのだ。

非力な動物でしかない。

しかし。

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