銀河の流星
食事を済ませ、久しぶりの街を歩く。

片側四車線の道路を行き交う未来的なデザインのスポーツカーと、星乃が乗っていたような軍用車輌のような四駆。

この星の大半はまだ豊富な自然の残る未開の地。

舗装された道路など街の中にしかない。

その為に惑星ソラリスに住む人々の所有する車輌は、その大半が大型でどんな悪路をも走破できるように四駆だった。

冒険心に満ち、内にこもるよりも外の世界に目を向ける気骨のある第一世代…つまり開拓移民第一陣の者達は、100パーセントが四駆の所有者という話もあったくらいだ。

ファッション性を意識し、洗練されたデザインの車が走るようになったのは、ごく最近の話。

それこそ星乃と同じ第三世代辺りになってから。

そんな第三世代を、第一、第二世代の人々は『探究心を忘れ軟弱になった』と言い、逆に第三世代は『無骨なだけの野蛮人』と否定的に言う。

星乃は第三世代ではあるが、両者の思想を程よく受け継いだと自分で思っている。

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