銀河の流星
ポーラはニコニコと人の好い笑顔を浮かべながら、星乃を見つめる。

「え…と…で、ポーラ、私に何か用かしら?」

宗教へのお誘いなら遠慮願いたい所だ。

少し歩調を速めて歩く星乃に。

「実は私、お腹が空いておりまして…どこか食事の出来る場所があれば教えて頂きたいのですけれど…街のこの区画はあまり詳しくありませんので…」

恥ずかしながらといわんばかりに、ポーラが照れ笑いする。

「えっと、それなら」

星乃も次の探索の準備で忙しい。

近くにあった看板を指差して。

「あれ、この街のガイドマップ。あそこからレストランの場所探してみて?」

「まぁ、それはご親切に」

星乃の少々邪険な扱いもまるで意に介さず、むしろ感謝の言葉さえ述べて、ポーラはトトトッと看板に駆け寄っていった。

(変わった子…)

ポーラを横目で見ながら、星乃は通りを歩いていく。

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