銀河の流星
しかし。

「!」

突然樹海の木々から、野鳥達が一斉に飛び立つ。

彼らは敏感だ。

何かを察知し、身の危険を感じてその場から飛び去ったのだろう。

…彼もまた、顔を上げて耳を立て、虚空を仰ぐ。

視線の先には光があった。

真紅の光。

かなりの急角度で空に炎の尾を引き、地上へと落下している。

隕石?

火の玉?

どちらも違う。

彼…四本の長い尾を持つ銀狐は、苦々しくその光を見つめ。

「こんな最果ての惑星にまでやって来たか…」

狐の身らしからぬ言葉を呟いた。

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