銀河の流星
だというのに、ポーラはニコニコと満面の笑み。

どんなに鈍くても、あの男達がどういう目的で寄ってきたのか、ちょっと考えれば分かりそうなものだろうに。

「じゃあ行こうか、お嬢ちゃん」

「はい、よろしくお願い致します」

気安く肩に手を回されても嫌がる素振りも見せず、ポーラは男達に連れられて歩き始める。

そんな彼女を。

「あー何だポーラ、こんな所にいたんだぁ!」

仲のいい友人を装って、星乃は男達の手から奪った。

「お、おい…」

「ごめんねおじさん達。私この子と待ち合わせしていたの。遅刻して今到着したとこなんだぁ」

有無を言わさずポーラの手を引き、強引にその場から走り去る。

「あ、あの?」

キョトンとするポーラ。

思えば彼女の笑顔以外の表情を、星乃はこの時初めて見た。

そのくらいポーラは笑顔ばかりの、まだまだ心身共に子供。

おっとりして他人を疑う事をせず、危なっかしささえ感じさせる。

「いいからついて来て!あんなのについてっちゃ駄目よ!」

星乃が保護欲を掻き立てられるのも、無理はなかった。

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