銀河の流星
そんな訳で。

「何から何まですみません。危ない所を助けて頂いた上に食事までご馳走になってしまって」

目の前の席には、満面の笑みを浮かべてパスタを頬張るポーラの姿がある。

ミルクティーを口にしながら、星乃は溜息をついた。

「世間知らずにも程があるわ。さっきの男達があのまま貴女をどこかに連れ去って、何をしようとしていたか分からないの?」

「…何をしようとしていたんですか?」

チュルルル、とパスタを吸い込むポーラ。

星乃にそんな事が口に出来る筈もない。

「ともかく、あんまり知らない人にホイホイついていっちゃだめよ。皆が皆親切な人ばかりじゃないんだから」

「でも」

ナプキンで口元を拭い、両手を合わせて『ご馳走様でした』と小さく呟いて。

ポーラはニッコリと微笑む。

「少なくとも星乃さんは良い人です。私を助けてくれましたの」

「……」

呆れた。

どこまでもお人好しだ。

星乃はもう一度溜息をつくのだった。

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