銀河の流星
で、と。

星乃は身を乗り出す。

「ポーラ、貴女見慣れない格好してるけど何をしている人?まさか本当に宗教の勧誘じゃないでしょうね?」

「あははっ、勧誘ではありませんけど…結構近いですの」

姿勢を正し、ポーラは星乃に向き直る。

「私はこの街にある教会の神父さんにお世話になっていますの。『星の巫女』として布教活動をするのが私の役目ですの」

「星の巫女?」

その名は星乃もテレビで聞いた事がある。

こんな地球から遠く離れた惑星だと、人々は不安を抱えたり、ストレスを溜め込んでしまう事も多いという。

昨今頻発する原因不明の地震などもその一因と言えるだろう。

そんな人々の心を癒し、道標を指し示す役割を担っているのが『星の巫女』と呼ばれるようになったポーラ。

彼女には人間は勿論、物言わぬ動物や植物、果てはこの惑星ソラリスそのものの『心の声』が聞こえるのだという。

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