銀河の流星
「それでは」

ポーラが立ち上がる。

「お食事、ご馳走頂いて感謝しておりますの。星乃さんに幸多からん事を」

両手を祈りの形にして祈祷するように呟き、ポーラはニッコリ微笑む。

風変わりな少女なのは否めないが、それでもこの笑顔を見せられると全てチャラになってしまうのは彼女の人柄のなせる業だろう。

「では」

一礼して出て行こうとするポーラに。

「待ちなさい」

星乃はホットパンツのポケットに片手を捻じ込み、くしゃくしゃになった名刺を一枚取り出す。

「貴女も何か困った事があったら、今度から誰彼構わずついていかないで私に連絡なさい。世間知らずなんだから」

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