銀河の流星
狐への嫁入り
星乃本人は自覚がないのだが、彼女は人知れず惑星ソラリスと、そこに住む人類滅亡の危機を救った。

「これはとても凄い事ですの。星乃さんはソラリス市民の救世主といっても過言ではないですのっ」

両手を上げ、後部座席で猛アピールするポーラ。

「えー、救世主~?」

大袈裟に持ち上げられた星乃は、運転しながら何だか照れ臭そうだ。

「だってそうじゃないですか。危うくソラリスは核まで貫かれて天変地異で崩壊する所でしたの。それを止めた星乃さんは、この惑星を救ったという事になりますの」

「うむ、俺もそう思う」

「ですから星乃さんはこのソラリスの救世主という事で間違いありませんの。メシアですの、世紀末救世主伝説ですのっ」

「伝説か、それは大したものだ」

「うんうん」

コクコクと頷くポーラ。

「……」

星乃はルームミラーで後部座席を見る。

「ところでちょっと訊きたい事が」

「何ですの?」

「どうした?」

「どうして流星までこの車に乗ってるの?」

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