銀河の流星
そんな惑星ソラリス唯一の街から離れる事約50キロ。

まだ人間が殆ど手をつけていない荒野。

その断崖絶壁に、一人の女性の姿があった。

女性といっても、まだ二十歳にも満たない少女。

黒髪のポニーテール、裾の短い白のタンクトップ、ホットパンツにショートブーツ。

動きやすさを重視した服装に違わず、彼女は素直に伸びた手足を駆使して、赤茶けた岩肌を素手でよじ登っていた。

フリークライミング。

高い身体能力を持っていなければ、瞬く間に遥か真下まで落下し、熟れたトマトのようにその体を潰して飛散させる事になる。

それを知って尚臆する事なく。

少女…杠 星乃(ゆずりは ほしの)は果敢に絶壁の登頂を目指した。

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