銀河の流星
残る一人は、もうどうする事も出来ない。

仲間達を次々とやられ、みっともなく右往左往するばかり。

そんな男を。

「おい」

流星は鋭く睨みつける。

「さっさと仲間を連れて失せろ。それとも貴様もキツイ仕置きが必要か?」

「ひぃいぃぃっ!」

効果覿面。

男は這い蹲っている仲間を無理矢理に引き起こし、脱兎の如く去って行った。

「…ふぅ、怪我させぬように追い払うのも骨が折れる」

別の理由で流星は疲れたようだ。

「星乃、怖かったか?もう心配ないぞ?」

男達に向けていたのとは全く違う、優しい眼差しで星乃を見つめる流星。

「う、うんっ…どうも…」

彼女は俯き加減で、少々強引に流星の手の中から離れる。

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