銀河の流星
「何だ、つれないな」

苦笑いする流星。

「嫁を守るのは亭主の務め。恩に着せるつもりはないが…その他人行儀な態度は少し悲しいな」

「違うんですの、流星さん」

ポーラが口元に手を当ててウププと笑った。

「星乃さん照れているだけですの」

「ポーラはうるさいってば!」

赤い顔をして星乃は怒鳴った。

…こう見えても星乃は逞しい女性だ。

あんな男達に絡まれたって一人で簡単に切り抜けられるし、誰かの助けなど必要ない。

それだけに、今まで誰かに…特に男性に守られた経験など皆無だったのだ。

『星乃、怖かったか?もう心配ないぞ?』なんて優しい言葉をかけられたのも初めてで…。

(調子狂うな…なんか私…変だ…)

星乃は一人心の中で呟いた。

< 73 / 121 >

この作品をシェア

pagetop