銀河の流星
流星が戻ってきて、助けてくれた。

気の強い筈の星乃が、たったそれだけの事でジワリと涙を浮かべる。

それ程に恐ろしい体験だった。

バイタリティ溢れる彼女でさえ、足が竦んで一歩も動けない。

ソラリスの街を襲ったのは、まさに化け物じみた規模の大震災だった。

「な、流星さん…」

ポーラが恐る恐る顔を上げる。

「さっきの地震は、流星さんが…?」

「馬鹿を言え」

心外そうに流星が言葉を返す。

「こうして尻尾も大地から引き抜いている。さっきの地震は俺の仕業ではない。もう核を貫こうとはしていないのだからな」

「だったら…」

ポーラが不思議に思うのも無理はない。

これまでの地震の元凶だった流星は、既に惑星を掘削する事をやめているのだ。

ならば何故、これ程の巨大な地震が発生したのか。

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