銀河の流星
その怪物は、ソラリスの翠玉の空を我が物のように浮遊する。

一体どんな原理であの巨体が浮遊しているのか。

そもそもあの怪物は何なのか。

星乃が思考を巡らせている目の前で。

「!?」

その数十メートルもある触手の先端が、再び地面へと突き刺さった!

ズシンという地響き。

巻き起こる土煙。

怪物の行動に驚いた樹海の野鳥や小動物が、慌てて周辺から逃げ出すのが見えた。

同時に怪物の触手が脈動する。

何かを吸い込むように。

排水ポンプが水を汲み出す様子を想像すればわかりやすいだろうか。

「また『声』が聞こえますの…」

ポーラが引きつった表情のまま呟く。

「『美味い』…『この星は美味い』…」

< 91 / 121 >

この作品をシェア

pagetop