銀河の流星
最初はその言葉の意味が理解できず、怪訝な表情をしていた星乃と流星。

しかしその意味は、直後に知る所となる。

「見て、あれ…!」

星乃が叫ぶ。

彼女の指差した先で、触手の足元に広がる木々が一気に枯れ果てていくのが見えた。

まるで季節の移り変わりを早送りの映像で見ているかのように。

青々とした緑が、瞬く間に秋、そして冬の景色へと移ろいでいく。

或いは、あの触手の脈動によって木々の養分が吸い取られていくように。

触手の足元に限らず、木々の養分の枯渇は広大な樹海全域にまで及んでいた。

「成程、合点がいった」

怪物の様子を見ていた流星が言う。

「先程からのこの惑星の異変は奴の仕業か…奴が地中を蠢くせいで、大きな震動が襲ってきていた…」

「一体何の為にっ?」

星乃が問いかける。

今は少し改心したとはいえ、流星には惑星ごと人類を滅ぼしてしまおうという理由があった。

だがあの怪物には…。

「恐らくは…」

ポーラが白い装束のスカートをギュッと握り締める。

「恐らくはあの怪物にとって…ソラリスを滅ぼす事は生命活動と同義ですの」

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