銀河の流星
柔らかな四本の尾の感触。

その優しい温もりに抱かれたまま、星乃は流星の声を聞く。

「俺は神の使いだ…おいそれと人間に手を貸す訳にはいかん。一度手を貸せば、人間どもは俺の力をあてにするようになるからな…人間が己の力で抵抗して、努力して、限界まで抗って…そうしない限りは俺は手を下さぬつもりでいた。だが…」

尾が星乃をグイと引き寄せる。

流星はそのまま、両腕で彼女を抱き締めた。

「なが…せ…」

「神の使いにあるまじき事やもしれんが…俺はお前を守りたい…エコヒイキなど許されぬ事なのだがな…星乃が望むのならば…」

流星の視線が、星食みへと向けられる。

「あの化け物から、ソラリスに住む全ての人類を守りたい」

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