銀河の流星
自覚する。

星乃は流星を喪う事を恐れている。

まだ知り合って間もない、人間ですらないこの男が、手の届かない場所へと連れ去られてしまうのではないか。

その事を思うと震えが来るほどに恐ろしかった。

…涙に頬を濡らす星乃を、流星は見つめる。

「泣くな星乃…俺はその涙を止める為に星食みに対するのだ。ちっぽけな人間が、抗い難い苦難に遭っても決して諦めず立ち上がろうとするのならば…俺はその『希望』の助けとなりたい。何より星乃…お前が笑っているのを見ていたい」

流星は空中でクルリと背中を向けた。

「だから俺は星食みに立ち向かう。お前達人間が、災害に見舞われても心折れず立ち上がるようにな」

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