君と築く明日
帰るためには
「…着いた」
「此処は何処です?」
羅流は尋ねる
「此処は名も無き小さな村だ…」
ナギルが答えた
「…はっ?」
羅流は眉間に皺を寄せ言った
「はっ?とは失礼だな。教えてやってるのに」
ナギルはレオンの方を向き言う
「レオン宿を探そう話はそれからでも良いだろう?」
レオンは頷く
その瞬間
「犬が喋った!?」
ナギルとレオンは顔を見合わせる。レオンはかすかに笑った
「お前、この世界に来たことよりもナギルが喋る事に驚くわけ?」
「だって犬は喋らないでしょう!?」
「生きてるんだから喋るよ」
その会話にナギルが割り込む
「ちょっと待て…。俺は犬じゃない」
ナギルは少しムッとした表情で二人に言う
「なら何だって言うんですか?」
羅流の質問に二人は同時に答える
「「狼」」
「……同じようなものですよ」