隣の魔術師
「いやぁ~失礼しました」

ペコペコあやまってくる女の子。

いっとくけど初対面でこの子のことはまったく知らない。

格好といい魔法少女のコスプレだ。

それにまさかドアに吹き飛ばされるなんて想像もしてなかった。

絆創膏1個の怪我で済んだのは幸いだったが。

それにしても誰ですか?

俺がじっと見ていると視線に気づいたのか、

「自己紹介忘れていました!」

と「えへへ」とした笑顔を見せた。

「私の名前はリリィって言います。」

リリィ…名前まで魔法少女っぽくするつもりですか。

俺もいちおう自己紹介しなければ…。

「えっと…桐波晴斗です。」

様子を伺って言ってみた。

「はい。承知しております。」

「へ?」

思わず間抜けな返事がこぼれる。

「手紙は読んでくださいましたか?」

手紙?

「えっと…そんなのもらってませんが?」

俺がおずおずいってみると困った顔をして、

「え?下駄箱にいれておいたんですけど…。」

手紙…手紙…。





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