隣の魔術師
「やっぱさぁ、それ神から与えられたんじゃねぇの??」

悠の発言に思わず加えたやきそばパンをポロっとおとしそうになった。

うわ、ここにロマンチストがいた。


「悠…それ正気でいってんの??」

俺が眉間にしわを寄せると、首を縦に振った。

「いや、だってさ!ここまできたらもう誰かから与えられた能力しか考えられないって!」

キラキラ輝いた目を俺に向ける。

そこまで真剣になられるとこっちもどうしていいかわからない。

あはは…っと苦笑いを見せ、頬ずえしている手のひらが痺れを感じてきた。

「与えられた…ね…」

そんなことが本当にあるのだろうか。

予知能力といっても世界中俺以外にもたくさんいる。

テレビにだって、「事件を予測した人」だっているし、「解決」にまで持っていく予知能力者だって数知れない。


俺だってその中の一人と考えれば小さい存在だ。

何俺は真剣に考えてたんだか…





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